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Rwanda Dispatch: ルワンダ・ディスパッチ-社会の「中」から女性のエンパワーメント

Kigali- Rwanda Dispatch (ルワンダ・ディスパッチ) 月に一度発行されるこの雑誌は、ルワンダにおける政治、経済、開発プロジェクトなどあらゆる社会問題を、ルワンダの視点に基づき、開発的側面からわかりやすく取り上げている一冊です。現在ルワンダで何が起こっているか、何が問題となっているか、またルワンダ政府が力を入れて取り組む活動など、その時々に合ったテーマに焦点を当てています。業家によるコミュニティ開発向けプロジェクト去年よりフランス語教育から英語教育へと移行した同国の教育現場の在り方について、また、今年4月号では大量虐殺から15年を迎えたメモリアルとしてカガメ大統領による寄稿など、扱うテーマは幅広く様々。ルワンダ人チームにより製作されており、歴史的な悲劇から急速な復興と発展を歩んでいる「ルワンダ共和国」を経験してきた視点が多く盛り込まれています。
今ルワンダで最も活発と言って良いほど著しく拡大している海外企業による投資開発プロジェクトや、アフリカ起


  写真右=上から Rwanda Dispatch 6号(2009  年4月刊行)、8号(2009年6月刊行)                               (Photo©Kadae.C)

この Rwanda Dispatch に、2009年4月刊行から Women Dispatch‐Inspiring Rwandan Women (女性・ディスパッチ-ルワンダ女性を元気にする) のセクションが盛り込まれるようになりました。歴史的な悲劇から15年。ルワンダの国家建設において、これまでルワンダ女性は非常に重要で活発な役割を担い、多くを貢献してきました。その事実を記録し社会に還元する、またすべてのルワンダ女性を応援することは、これからの国家の発展に不可欠であるということを背景に発足したものです。
2008年、ルワンダの議席の半数以上が女性議員により取得されました。ルワンダの憲法では、議席の最低30%が女性によるものと定められています。これをはるかに上回る結果には、ジェンダーコミュニティだけでなく、国際社会でも大きな注目を浴びています。これにより、女性のニーズ、女性が直面する問題などが政策決定過程からより確実に反映されるようになりました。
一方、「民族紛争後に残された女性が国家の復興に携わってきた。」「女性がよく働き、家事やコミュニティケアをしている。」ということは一般的に知られていますが、実際の社会生活において、女性がどのような役割を担い、どのような活動をし、それが社会的にどう受け取られているのか、また、そうした活動がどのような形でルワンダ国家の発展に貢献しているのかなど、具体的にはあまり知られていません。
そんな中、この Women Dispatch は、ルワンダのジェンダー平等・女性のエンパワーメントに関する政策、また、社会で活躍するあらゆる女性に焦点を当て、女性のニーズ、ルワンダ社会における女性の地位、ジェンダー平等性などをより明確に取り上げます。実際に女性がどのような活動をし、国家建設に貢献しているのか、社会の「中」からその姿を汲み取りコミュニティレベルにおける女性のエンパワーメントに大きく貢献してくれることでしょう
メディア・雑誌は、社会のあらゆるところにまで影響を与える重要な情報発信源です。まだ発展途中にあるルワンダ共和国において、社会的・経済的成長を遂げる過程で、政策レベルと並行して社会のコミュニティから女性・ジェンダーの重要性を説いていく Rwanda Dispatch が女性セクションを「期間限定の特集」としてではなく、通常の刊行に組み込んでいることは、ルワンダにおける「女性の役割」の重要性を証明し、また、ジェンダーの問題・女性のエンパワーメントの重要性が社会的に深く浸透している証です。