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コンゴ蜂蜜産業におけるコミュニティー開発

Congo 2月後半、環境・生物多様性保護を目的とした蜂蜜産業におけるコミュニティー開発プロジェクト視察のため、コンゴのゴマへ行って来ました。キガリからは車で3時間ほど。コンゴとの国境沿いにあるルワンダの町 Gisenyi からゴマへ入りました。

一歩国境を越えると、ガラリと風景が変わります。ゴミもなく、規則に沿い静かで落ち着いた風景とは一転、今度はあちこちから聞こえる騒々しいもの音と慌しい通りに出くわします。ゴマの中心部はエネルギーが渦巻いています。野菜やお米、バティック、男性用の靴、ぬいぐるみやおもちゃなど、通りは驚くほど商業で賑わい、人々の活気に満ち溢れています。車やバイクの音、砂埃、人々の笑い声や通りを隔てて行われる交渉。メディアから通してみるゴマのイメージとは違ったものでした。
                   
                           
                               写真右=ジュグデュにのり
                               商業活動する少年・ゴマ
                               (Photo © Kadae.C)

今回のプロジェクト-蜂蜜の生産過程における質向上と、蜂蜜の市場拡大、および生産を通じた現地コミュニティーの雇用・収入拡大-は、とくに Virunga National Park 国立公園周辺の村やコミュニティーを対象としたもの。7箇所に合計440 もの Bee Keepers Associations が点在しています。視察は、ゴマから22 km 離れた Kibumba 地区で行われました。この地区では、3つのAssocations が活動し、合計33人もの Bee Keepers が蜂蜜の栽培に関わっています。


現地の人々は、蜜採集のために、伝統的な蜂の巣を木の上や茂みの中に取り付けますが、これが国立公園内で行われた場合、木を伐採し、自然の生態系に影響を与え、動物を含む保護の対象となっている生物多様性を破壊する危険があります。それだけでなく、巣を設置し蜜を採取する人(Bee Keepers)自身も、マウンテンゴリラやバッファローなどの動物、また国立公園内をパトロールするレンジャーとの衝突など、危険にさらされる可能性があるのです。もちろん、許可なく国立公園への立ち入りは禁止されていますが、貧困にあえぎ、家族に満足のゆく食事さえ与えることのできない周辺住民にとって、国立公園内で作業が禁止されていようと、そんなことは構っていられません。蜜採取は命にも代えられないものなのです。

そこで、周辺コミュニティの生活向上を目指し、Bee Keepers の公園外での蜂蜜栽培および市場の拡大、質・技術の向上などを支援し、同時に Virunga National Park の生物多様性、環境を保護し、絶滅危機にさらされているマウンテンゴリラを保護しようというのが、このプロジェクトです。生物多様性・環境保護活動において、コミュニティー開発が基本であることが、明確に打ち出されています。

    写真=Kibumba地区でのBee Keeping(BK)プロジェクト.
     BK Associationの代表(真ん中)とBee Keeper
s (Photo © Kadae.C)

私は個人的に蜂蜜が好きではなく、人に進められてもめったに食べませんが、もちろん、今回のプロジェクト視察で現地の人から進められれば、試食をしないわけにはいきません。でも、食べてみると、なんとこれまで食べたことのない味でとてもおいしいんです。なぜだろう、と不思議に思いつつも、気がつくと何度も何度もスプーンに取り、このコンゴ産蜂蜜を食べていました。ここで取れる蜂蜜ですが、ミツバチによって Virunga National Park 内のお花から集められた蜜だそうです。他に、ユーカリから取れた蜜もあるのだそう。

    

   写真=蜂の巣にできた蜜(左) ・ Virunga 産蜂蜜(右)(Photo © Kadae.C)


*コンゴ Kibumba 産蜂蜜を含め、プロジェクトの詳細は、IGCP にコンタクトしてください。また、今回のコンゴ視察は、現地機関のインストラクションおよび現地専門家の同行のもと行っています。